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  • もくじ
  • 序章 はじめに
  • 第一章 BISの国際基準第
  • 二章 本来の真相
  • 第三章 「罪となるべき事実」の不存在
  • 第四章 「真相」を隠蔽した大きな理由
  • あとがき

あとがき

 21年かけて解析と照合を積み重ねた結果は、「BIS規制8%」をクリア操作するために「特別プロジェクト内特殊取引を銀行ぐるみで行ったという事実であった。そして国家は事実をどのような手段をとってでも隠蔽したのだ。これが当時、公にされたならば、銀行に対する国民の信頼を失うのみならず、日本の銀行のあり方に対する国際社会の信頼を失うものなのである。「Aステージ」「Bステージ」「Cステージ」と捏造に捏造を重ねた証拠は、ご確認いただいたように、穴だらけなのである。今回は膨大な資料からほんの一部を公開した。

 銀行が400億~500億の穴をあけ、秋葉原支店の銀行員が「預金担保から不動産担保」に切り替えるため助けを求めてきたのが全ての始まりだった。その銀行員から回された資金で、「特別プロジェクト」の存在など知らずに不動産取得活動を行っていたにすぎなかった。そんな一国民の20年を不当にも奪う権利など、国家権力でも無いのである。

 平成8年12月9日検察側は私に「本件において酌むべき有利な情状は全く認められず厳重な処罰が必要である。」「懲役14年」と求刑した。この日、突然私の父がこの世を去った。父は私の無実を最も信じてくれた人であった。その父に無罪を報告できなかったことは悔やんでも悔やみきれず、無念でならない。私を始め、家族、友人、強いては周辺にいる善意の人たちをも巻き込み、生命、生活権をも奪った権力の暴挙に対して、私は憎しみすら感じている。

 一時、私選弁護団全員が辞任し、裁判所は私に優秀な国選弁護人を三人つけてくれた。その弁護人が言った事は何か、『法廷に法は無い』だった。
平成4年12月25日から平成9年1月までで本件調査のために使用したコピー枚数は優に41万枚を超えていた。また公務所照会14件、弁護士照会180件、ありとあらゆる手段を使い、地を這うように様々な場所に足を運び証拠を集めた。

 平成9年1月20日、一審法廷に対して「最終意見陳述書」32ページを提出した。その一部を抜粋する。
「裁判長にお願いしたい。憲法第37条は「公平な裁判所の裁判」を保障している。どうか本法廷が憲法と刑事訴訟法に則り、先進国たる日本にふさわしい理性と良識と正義が支配していることを示していただきたい。これまでの公判廷において、検察側が提出してきた証拠物件が全てコピーであり、原本を取り寄せるや中身が異なり犯罪的な偽造そのものだったこと、それが白日に下に晒されるや検察官側の主張が二転三転したことが明らかになっている。裁判長として後見的補充的職権による正しい判断をお願いするものである。」

 しかし平成9年3月19日判決主文は「有罪、懲役11年を科する」の宣告であった。
いくら「日本の経済システムを護るため」と言っても、事実を公開せず、偽の事件を捏造してまでも国民を騙す日本の体質を許せるだろうか?原発の事実を隠すのと同じで、一過性の「平和」は表面上保てるかもしれない。しかし、何十年後に被ばくが原因で人体に影響がでても、「仕方がない」と皆言えるだろうか。

 現に銀行はこの「特別プロジェクト」内特殊取引で発生した損失を銀行預金に対する金利0%を実行し、10年間で150兆円もの利益を上げ、また巨額損失を一時決済するため、我々の厚生年金350兆円から180兆円〜250兆円が当てられた。「原資料が無い・紛失された」と報道があったのは、この時一緒に証拠も隠蔽したからである。年金不足を消費税で補填するというように、これは産物のひとつであるが、我々の日々の生活に「バブル経済社会」の終始末がさまざまな角度から影響が受けている、受けるのは当然なのである。

 国民の義務を果たしている我々に、権利が与えられるのは当然である。日本国憲法第21条第1項には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とある。「表現の自由」「知る権利」は不可欠であり、この権利こそ守られなければならないはずである。

 これを公開することによって、想定される被害の覚悟はできている。ここまで命を削るような思いをして調べ上げたのは、私が無実であるからに他ならない。汚名を着せられたまま終わってなるものか。そして様々なプレス(マスメディア)に『桜タブーなので掲載できない』と言われた本件をここに公開し、一人でも多くの国民に真相を知らせるのが裁判員裁判に参加する国民に対する私の義務であると信じている。
 これからも何故銀行が一銀行員を犯罪者にしてまで不正会計処理(保険金詐欺等)を行ったのか、その「理由」を司法権力が圧力をかけない限り、第3弾、4弾と大手都市銀行が行った恐ろしい犯罪を公開していくつもりである。

 

 

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