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  • もくじ
  • 序章 はじめに
  • 第一章 BISの国際基準第
  • 二章 本来の真相
  • 第三章 「罪となるべき事実」の不存在
  • 第四章 「真相」を隠蔽した大きな理由
  • あとがき

第ニ章
本来の真相

1.極秘「特別プロジェクト」の展開

 

 21年という年月を費やして、私が黒幕とされた「巨額不正融資事件」を一つずつひも解いてみると、「BIS規制」の基準、自己資本比率8%以上クリアという苦境に陥った邦銀が見えてきた。無論、大手都市銀行が「BIS規制」をクリアすることは、我が国、経済の生命にかかることであった。そしてついに大蔵省指導の下、大手都市銀行各社が生存をかけ、「BIS規制」クリアに向けた極秘「特別プロジェクト」を展開するに至ったのである。これらどのように「BIS規制」クリア操作が行われていたか、裁判にて使用された関係書類(以下、客観証拠)を用いて立証していきたいと思う

1-1.「特別プロジェクト」内の「特殊取引」実行方法

 その「特別プロジェクト」とはどのような「特殊取引」で行われたものだったのか、私が関与したとされる東海銀行を例に説明する。

(1)

東海銀行秋葉原支店(以下、秋葉原支店)は勝手に名義人の知らない「借名口座」を預入金「0円」で普通預金口座、あるいは当座預金口座(いずれも架空預金口座)を作成する

(2)

この「借名口座」に用いた「架空預金」を担保とし、「架空預金」名義人を借受名義人として仕立てあげ、「秋葉原支店⇔借受名義人」間の預金担保融資取引を捏造する

(3)

証拠が一般貸出債権と捏造した「約束手形債権」一式(CP)金融商品である。この「約束手形債権」は「BIS規制8%」クリア操作目的として架空預金である「指名債権」が約束手形と一体(一式)とする目的で「質権」を用いた「指名債権譲渡方式」による、確定日付のある「質権設定承諾書」で「秋葉原支店⇔借受名義人」の取引を立証したのである。
 この民法で認められた「指名債権譲渡方式」を利用するケースでは、取引法で、預金債権は、指名債権である民法363条の「債権を質入れる場合の証書を引渡す」質権は、債権を目的とする場合にあたり、その債権に証書(たとえば、借用証、預金通帳など)があるときは、この証書を引き渡すことによって債権が成立する。

支払うべき相手の決まっている債権、すなわち指名債権を質権の目的にした場合、「指名債権を質入れしたことを他人(第三者)に主張できるか」ということを表すには、この債権の譲渡について定める467条の規定に従って、その質権について他人(第三者)に対して、質入れを通知するか、またはこの債権者(この場合債権者は銀行などの金融機関)の承諾を得なければ、この債権が質権の目的となっていることを他人(第三者)に対して主張できない。確定日付の有る「質権設定承諾書」が存在するのは、このためである。

(4)

秋葉原支店は「約束手形債権」一式を流動化(売却)目的の他行預金担保融資取引を「秋葉原支店⇔ノンバンク」で実行

 金融商品を取引にする条件として「(2)譲渡先は銀行、生命保険会社、損害保険会社など金融機関に限定し、転売は認めない」
これがノンバンクとの金融機関限定の取引なのである。

(5)

ノンバンクは買い入れ資金を銀行から「特別プロジェクト」の一部システムである「特別融資」を用いて融資を実行してもらう

(6)

ノンバンクは銀行と他行預金担保融資取引「銀行⇔ノンバンク」として買い入れ代金を得る

(7)

ノンバンクは融資された買い入れ代金を秋葉原支店に振込送金する

(8)

秋葉原支店はこの買い入れ資金に金利を合わせて(2)「架空預金」を本物の「流動性預金」として通知預金据置期間7日間を利用した通知預金を7日間作成する

(9)

この7日間で「BIS規制8%」クリア操作を終了させるなら、通知預金を解約してノンバンクに買入れ資金を振り込み送金する。また収益第一主義として株式、債券、不動産市場等に原則3か月として流用した

 当時我が国の金融システムを護る目的で、東海銀行が行った「BIS規制8%」クリア操作なのである。秋葉原支店「特別プロジェクト」内特殊取引で一般貸出債権を捏造したのである。

 

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