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大阪高等検察庁検事長 柳 俊夫 殿

公開質問状

第一章 はじめに

はじめに

  私、室岡克典は、大阪高等検察庁柳俊夫検事長、貴殿に公開質問を行う。

  その理由は、貴殿が東京地方検察庁検察官として、当時(平成4年)私に対して、旧東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)等大手都市銀行にかかる巨額融資事件、総額280億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使罪」を証拠捏造による起訴し、違法刑事手続、それも確信的職務犯罪行為により私の基本的人権を無視して実行した張本人だからである。その事実確認の目的のために公開質問を以下行うものである。

  貴殿とは、あの時平成5年2月17日午後1時、東京地方検察庁それも異例な資料室での私に対する取調べ「血のバトル」を行った。そのことを貴殿は忘れてはいないはずである。
  大阪高等検察庁柳俊夫検事長(以下、柳俊夫検察官とする)、貴殿は、本件事件主任捜査検事として捜査指揮を職務犯罪行為で実行したのである。その行為に対して、私は、平成3年12月17日から平成5年2月17日まで代用監獄たる警視庁万世橋署留置場に留置され、平成4年1月7日起訴(一)、平成4年1月28日起訴(二)に対して完全黙秘否認(以下「完黙否認」とする)を実行し、400日以上捜査機関(警察、検察)と闘っていたのである。私の「完黙否認」に対する捜査機関による報復的な違法勾留が起訴(三)で、さらに継続されることに対してついにハンストを決行したのである。
  この違法捜査手続に対してハンストを決行し、抗議をしていたときに貴殿からの急な取調べが行われた。 私はくやしさのあまり自ら歯で口の中を噛み切り、貴殿の机に血を吹きかけ、あの時最後に「一言」言ったはずだ。「これは法律論でなく感情論だ!俺は負けない。一生掛けて真相を追及する」。
 あの時の「血のバトル」を貴殿は忘れても、私は鮮明に覚えている。
 もし、貴殿が忘れたなら私を連行した当時万世橋警察署留置係佐々巡査部長、蔵座巡査部長に連絡をとり、当日の状況を聞くべきである。
 私は、今、「一生掛けて真相を追及する」―その言葉通り実行しているのである。私は平成20年に満期出所後、本件詐欺事件捏造の「真相と背景」を、公判において証拠とされた客観的諸証拠を用い、関係者に確認、調査した。その結果の判定を国民の皆様にインターネットを通じて広く報知するための準備をしていた。その矢先の平成22年10月1日に、貴殿は大阪高等検察庁(以下、大阪高検という)検事長として郵政不正事件にかかる証拠改竄事件にからむ大阪地方検察庁幹部らの逮捕について、貴殿が記者会見したのである 。

これは偶然なのか、必然なのか、また自然なのか、国民の皆様に問うものである。

  今日、事件発覚以来、19年の時が流れ、大阪地検特捜部主任捜査官前田恒彦検事による犯罪構造と 証拠の捏造が騒がれ、検察当局はいかにも自浄作用があるがごとく前田検事を起訴しているが笑止千万である。検察庁の刑事事件捏造は今に始まったことではなく、マスコミが報道するのが遅すぎるくらいである。大阪高検検事長である柳俊夫が記者会見(平成22年9月21日午前11時)で「最高検が今後、刑事罰も視野に入れ徹底的に捜査して厳正に対処すると聞いている。大阪高検としても全面的に協力したい」 そしてまた記者会見(平成22年10月1日午後11時)し「管内の検察官を監視すべきものとして誠に遺憾で深くお詫び申し上げる。信頼回復に向け全力で取り組む」とコメントを読み上げ国民に陳謝する貴殿の姿を私はまじまじとテレビで見ていた。
 あれから19年、貴殿が記者会見できる地位、政府各省の政務官と同じ待遇を受ける認証官である大阪高検検事長まで出世した今の姿を見て、私は今こそ我が国の司法検察の不正・腐敗を発表することが「自然の流れなのだ!」と確信したのである。
 私自身が経験した司法捜査機関(検察・警察)の組織ぐるみによる筋書通りの違法な刑事手続で、以下のような時間が経過した。

平成3年11月20日、
「有印私文書偽造同行使、詐欺罪」で逮捕状が発布される。
平成3年12月17日、
南シナ海上空で警視庁捜査員に「有印私文書偽造同行使、詐欺罪」で逮捕され、警視庁万世橋警察署留置場に勾留され、完黙否認する。
平成4年1月7日、
100億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使罪」で起訴される。
平成4年1月7日、
30億円の「有印私文書偽造同行使、詐欺罪」で再逮捕され、完黙否認を実行する。
平成4年1月28日、
30億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使罪」で追起訴される。
平成4年4月30日、
東京地方裁判所104号法廷でマスコミ注視の中、審理開始される。
平成5年2月10日、
公判中150億円の「有印私文書偽造同行使、詐欺罪」で再々逮捕され、前述したような状況で、完黙否認する。
平成5年2月19日 
東京拘置所に移管されたのである。
平成5年3月3日、
150億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使罪」で追起訴される。
平成6年1月17日、
完黙否認でありながら「保釈」される。異例中の異例である。
平成9年3月19日、
一審判決「懲役11年」が宣告され急ぐ控訴。これで収監されたのである。
平成11年3月26日、
二審判決「控訴棄却」が宣告され急ぐ上訴したのである。
平成15年3月27日、
最高裁決定「上訴却下」が宣告され「異議申立」を行ったのである。
平成15年3月30日、
「異議申立書」333ページを提出したのである。
平成15年4月11日、
決定「異議申立却下」これで受刑者となる。
平成15年5月20日、
東京拘置所から長野刑務所に移監。
一審450日、二審650日、最高裁900日、合計2000日の未決通算を刑期11年から差し引いた残刑5年6ヶ月を刑務所で過ごしたのである。
 平成20年10月2日に、刑法28条に則した仮釈放を「改心の状況」なし、つまり“まったく反省していない”として拒否し、自ら満期願いを刑務所に提出し、満期出所としたのである。

 私は、この19年間必死の思いで捜査機関の違法捜査と徹底的に闘ってきた。
 私は、本件事件専用の訴訟対策オフィスを銀座に設置し、スタッフ(21名)による検察官開示資料に基づく融資金の追跡を実行し、ことさらに隠蔽された部分の資料開示等を裁判所の公務所照会(14件)弁護士照会(現在まで189件)等、自ら足を運び資料収集し、解明・解析を行い、「融資金の流れ」を追う「検察チャート」に対する「弁護士チャート」まで作成し裁判所に提出したのである。一審判決後に収監された東京拘置所の暗い独居房で毎日、朝から晩まで、本件事件に関わる証拠書類、特に銀行関係の伝票、帳票類、そして銀行法に基づいた東海銀行業務規則規程集(約3000ページ)を約7年間にわたり目から血のにじむ思いで熟読し銀行業務・実務手続の解明・解析を行ったのである。
  私は出所後、この解明・解析した本件取引関係書類「約束手形債権」一式を基に真相を、本件ノンバンク融資担当者数名に取引の真相の確認作業を行ったのである。その結果、本件は我が国の金融システムを護る目的で実行された身の毛のよだつような「真相と背景」が存在したことである。その「真相と背景」を、これから国民の皆様に本件公判廷で使用された捜査機関作成のコピー偽造立証証拠(甲)号証等で証明するので、検証し判定をしていだきたいのである。今、私の19年に及ぶ闘争が結実したまさにこの時、平成4年東京地検刑事部検察官であった柳俊夫検察官、貴殿は大手都市銀行を舞台とした総額280億円の「詐欺・有印私文書偽造同行使罪」というとんでもない巨額不正融資事件を、大阪地方検察庁特捜部の前田検事と同様の主任捜査検事として検察の組織ぐるみの筋書(筋読み)で捏造を行い、私を犯罪者に仕立て上げたことを、よもや忘れたとは言わせない。それに対し、私は今日まで国家権力による違法な刑事手続に対して徹底的に闘ってきた。そして、19年の時が流れ、司法捜査機関の長年にわたる積もり積もった職務犯罪行為、ドロドロとした組織ぐるみの不正の膿、それらが今やっと流れ出し白日の下にさらされるときが来たと、貴殿の記者会見を見て私は確信したのである。
私が本件「巨額不正融資事件」についてまず国民の皆様に、このたび「公開質問状」としてお知らせしなければならないことは、次のことが前提である。
(1) 我が国の政府首脳と金融当局が指示したこと。
(2) 大手都市銀行が行った国際決済銀行(BIS)による「BIS規制8%」クリア目的とした「巨額粉飾」隠蔽する目的で行われたこと。
(3) 大手都市銀行を舞台(ステージ)にした「戦後最大の巨額金融不祥事」の捏造が行われ、そのことが、結果的に「戦後最大の法廷不祥事」である事実が明らかにされた。
私は客観的諸証拠を用いて、この事実を検証するので、判定していただきたいのである。
 つまり、具体的には、次のことが明らかになったのである。
(1) 当時、利権集団であった自民党政権と一体となった大蔵官僚(現財務省官僚)支配下の金融機関が構築した「バブル経済社会」という虚構。
(2) そこで行われた株式市場、債権市場、不動産市場等での過剰な信用を生み出し積み上げた悪質な手口。
(3) そして「バブル経済社会」終焉で行われた様々な不正・腐敗とその忌まわしい膿の隠蔽。
これら銀行の構造的な歪曲性を隠蔽する目的で、「刑事司法」を悪用した「真相と背景」を、当時国策として捜査指揮した、大阪高検検事長である、柳俊夫検察官に公開質問するものである。
1985年「プラザ合意」以後に、我が国の政府首脳と金融当局は「刑事司法」を利用し「巨額粉飾」という腐敗――銀行の収益第一主義による金融機関のモラル欠落退廃ぶり――が、白日の下にさらされることを避け、我が国「円」の国際的信用を維持するために、事実の隠蔽工作を行ってきたのである。
金融犯罪史上最大の被害総額「約3000億円」といわれた本件など一連の大手都市銀行を舞台(ステージ)として行われた「巨額不正融資事件」は、当時、東京地方検察庁(以下東京地検という)の特捜部ではなく刑事部外事課柳俊夫検察官が主任捜査検事として担当することになった経緯も、国家的な規模のこの欺瞞的な隠蔽工作という事実を抜きに考えるべきではないのである。
当時日本における金融・証券不祥事は世界の国際金融機関から厳しい批判を浴びていた。我が国政府首脳、金融当局は、時の大蔵大臣、橋本龍太郎の引責辞任(平成3年10月14日)により国際信用の回復を至上命令として事態の収束に努めたのである。
 柳俊夫検察官(当時、東京地検刑事部主任捜査検察官)は、
(1) 本件が銀行ぐるみの「巨額粉飾」であること、
(2) ノンバンクが銀行と相通じ合い、「BIS規制8%」クリア目的という「粉飾」による巨額融資取引を実行し、
(3) 巨額の金利収入を得ている事実を取引関係書類「約束手形債権」一式が立証する基礎的な契約上の社会常識的経験則をすべて承知した上で、
(4) 犯罪構造「協力預金」名下の資金融資などという「マンガチック」な詐欺罪の成立する余地などどこにもない、民事上の取引である「真相」を十分に承知しながら、
(5) 司法捜査当局の民事不介入の大原則を無視してコピー偽造立証証拠作りまで行い、確信的な職務犯罪行為による詐欺罪の犯罪構造を机上で作りあげ、
 本件事件処理を行ったのである。
 その目的と理由は、大手都市銀行の不正・腐敗、特に銀行の「借名口座」等を用いた「巨額粉飾」不正な手続きの繰り返しは、それだけでも社会不安を招来しかねない重大な社会問題であり、ましてや銀行ぐるみの「巨額粉飾」が外部に漏れたならば、銀行の権威の失墜、国家の信用経済の混乱等の甚大な影響を免れない状況であったのである。
 柳俊夫検察官は、キャリアとして今の地位を築くため、国策通りに詐欺事件を捏造し、主任捜査検事として、そのような国家規模の非常事態を何としても避けようとしたのである。もちろんこの隠蔽工作は我が国金融システムを護る国家規模の意思、すなわち結論ありきの国策捜査であったのである。
 そのために、あろうことか一民間人である私を富士銀行、東海銀行両行にまたがる「3000億円の巨額不正融資事件」の黒幕とすべく客観的証拠{本件「真相」を立証する銀行の取引関係書類「約束手形債権」一式(原本)}を用いて、まったく別な犯罪構造を、つまり「協力預金」名下の資金融資として経済取引をコピー偽造立証証拠として作り、事件関係者に不起訴や刑の軽減をエサに虚偽の供述を無理やり押し付けて、ありもしない犯罪取引構造を机上で作り上げ、総額280億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使罪」事件の黒幕として私を起訴したのである。
 これらはまことに許しがたい暴挙であり、絶対に許されることではない。あれから19年の時が流れ、大阪高検検事長として前田検事の件で記者会見する貴殿の姿こそ「司法検察の恥部」そのものである。 私は今こそ、国民の皆様に平成4年当時柳俊夫検察官、貴殿が東海銀行秋葉原支店事件で実行した大手都市銀行を舞台(ステージ)とした経済社会の常識では考えられない一件50億円、100億円の「協力預金」名下の巨額詐欺事件捏造の「真相」を客観的諸証拠で国民の皆様に検証して示し、判定していただく所存である。
 私が「司法検察の恥部」と断言できる理由を以下述べるものである。(なお、検証いただく客観的諸証拠は、本件公判廷で用いられた証拠物件で、そのほとんどは検察が提出した甲号証ある)。

 

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